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気づき

コンプライアンスとインテグリティ

「コンプラ疲れを起こしている会社で、Integrity(インテグリティ)について講演することはできないか」
そのようなお問い合わせを頂きました。

経営環境の急速な変化に伴い、新たな商品・サービスなどが登場することでリスク発生の可能性が高まることも影響し、
コンプライアンスはますます重要になってきています。

ただ実態は、経営戦略と紐づけられるよりも、規範集の作成やマニュアルのチェックリスト作成など
形式的な整備がされがちであり、運用するには詳細すぎる内容になっていたり、
再発防止策も表面的になっていたりすることが多いようです。

コンプラ疲れのキーワードは、「納得感の欠如」だと思います。

規定やルールなどは、そもそもの目的があって策定されるものです。
その目的がわからなくなると、規定やルールを「ただ言われたから守る」ことになります。
規定やルールは膨大な量になってきていますし、そもそもの目的もよくわからない状態で守るには限界があります。

先日先進的な企業で働く方とディスカッションしていた際に、
「ルールは自ら作るものだという意識がない人が多い。また、ルールはβ版で良しとするという発想がない人が多い」
という意見を言われハッとさせられました。
われわれの多くは既にあるルールに従うことが求められます。
理念、規範、役割、目標に従うことは求めらますが、自らそれを考え運用し、
改定した経験のある方はそれほど多くないのではないでしょうか。

Integrityは、「正直」「誠実」などと言った意味があります。
「自分自身にどれくらい正直に日々を過ごしているか」
「自分自身の考えや思いにどれくらい誠実なのか」
この問いを自身に課すことは、納得感を持った生き方をする上でも、
納得感を持って人と関わる上でもとても大事なことだと感じています。

Integrityが求められる背景には、既存のルールや規範にただ従うことが限界を迎えつつあり、
人としてルールや規範を自身の内面に照らし合わせながら、正直に誠実に向き合わないと動けなくなってきているのではないか。
私はそう思っています。

Integrityは、ティール組織やインテグラル理論などにもつながる言葉ですので、引き続き検証していきたいと思います。

投稿者:
山田智大

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